街はクリスマス一色。世の中は年末年始の準備に忙しいころですが、受験生を持つ保護者のみなさんは、いよいよ差し迫ってきた試験日を考えると、心落ち着かない日々を過ごしているのではないでしょうか。 今回は実際におきた失敗談や経験談を絡めながら、『今やっておくべき受験準備』をご紹介していきます。また、ダウンロードできる『中学受験出願チェックシート』をご用意いたしました。これからはじまる出願ラッシュに向けて、漏れがないように入力してお役立てください。本番当日まであと残りわずか。体調を崩すことのないよう、無理をせず年末年始をお過ごしください。
1 複数のルートを前もって調べておきましょう
少し余裕のあるこの時期だからこそ、受験校までの交通ルートを調べましょう。その際は一つだけでなく、複数のルートを調べるようにしてください。実際に、「電車が止まっていて、代替ルートを調べていなかったので焦った」などという話しも聞きます。「この路線が止まってしまった場合はこちらで行く」というように、代替ルートを確保しておくと万一のときも安心です。 そして調べるときは公共交通機関のルートを調べてください。ほとんどの場合、公共交通機関での遅延には救済措置がありますが、自家用車などではそれが受けられないからです。電車やバスが止まっていて、どうやっても間に合わないと思ったときは、まず受験校に電話をしておきましょう。遅延証明書があれば受験させてくれるところもあります。予期せぬトラブルで慌てないためにも、複数交通ルートの確認をしてください。
2 トイレの場所も忘れずにチェック!
複数のルートを調べたら、実際にそのとおりに学校まで行ってみるのがおすすめ。乗り換えで混む車両やトイレの場所などもチェックしておくと、安心感が違います。お子さんが緊張して腹痛を起こすかもしれないので、ホームからそう遠くないところにトイレがある駅をいくつか調べておくといいですよ。
3 意外と見落としがちなのが酔い止め対策
受験校の最寄り駅からバスを使う場合、酔い止めを準備しておくといいでしょう。ふだんからバスに乗り慣れている子でも「はじめて乗る路線だったからか、受験の緊張感で酔ってしまった」という声も。せっかくここまで頑張ってきたのに、「乗り物酔いで力を発揮できなかった」などということにならないようにしてください。
1 シミュレーションと下調べ
午前、午後と受験をする場合、移動ルートや移動時間をシミュレーションするのはもちろんのこと、実際に現地に足を運び、お昼を食べる場所も考えておくと安心です。 午後試験の時間まで余裕があるのならいいのですが、余裕がない場合、お昼を食べる場所を考えていないとせっかくの休憩時間を無駄にしてしまうことも。「事前に一度食べて、当日は同じものを予約しておいた」という完璧な保護者の声もあります。手作りお弁当もいいですが、かえって食べる場所に困ることがあるようです。また、「温かい料理を食べることで元気が出た」という話しも聞きます。親の不安は子供に伝わるので、当日慌てることのないようにして、万全の体制で午後の試験を迎えさせてあげましょう。
2 食べてから移動するのか、移動してから食べるのか
シミュレーションをする場合に大事なのが、食べてから移動するのか移動先で食べるのかという選択です。移動先の学校周辺に食事をできるところが少ない場合には、午前受験の最寄り駅周りでお昼を済ませてしまうという選択肢も。予期せぬ交通トラブルを考えると早く移動してしまいたくなりますが、お昼をゆっくり食べさせてあげることも大切です。ただし、食べてから移動する場合には移動時間には余裕を持って出発しましょう。 ※学校によっては、昼食をとる場所を用意していところもあるので、事前に学校に確認しておくとよいでしょう。(今年はコロナ対策で中止されている可能性が高いですが・・・)
1 願書を入手したら募集要項をすぐに確認
願書を入手したら、募集要項をすぐに確認して、必要書類や入学金納付の期限などを確認してください。担任の先生に出願書類の作成をお願いする場合は早めに連絡をしておきます。お金の準備も年内にしてしまうと安心。 要項を確認しておらず、「学校に作成してもらう書類があり、焦った」「写真のサイズが違った」という声も。願書を取り寄せたから大丈夫と安心せずに、要項の確認まで行いましょう。
2 担任の先生への出願書類の依頼は終わっていますか?
出願書類の依頼締め切りを2学期の最終日にしている小学校が多いと思います。まだギリギリ間に合うタイミングですので、「忘れていた!」という人は担任の先生にまず一報を。
3 欠席届も忘れずに
試験日が確定し、学校を休む日が決まっているなら、連絡帳または封書を使って先生に連絡をしましょう。他の人に知られたくないなら封書がおすすめ。
「試験日以外に学校を休むのか」という点は悩むところですが、インターネット上の声を探してみたところ「全く休まなかった」「前後一週間ほど休んだ」という意見が多く見受けられました。全く休まなかった人は「共働きで親が家にいないので、休まれても管理ができない」「一日中勉強するというのは難しいので、学校に行くのが気晴らしになる」という考えからそうしているようです。一週間ほど休んだという人は「インフルが流行ってきていたので念のため休ませた」という理由からでした。ここで、実際に受験を経験されたIさんのご家庭の場合をご紹介します。
1月はほとんど登校しませんでした。当初は休む予定ではなかったのですが、最初の入学試験で娘が異常に緊張してしまい、実力を発揮できず、すっかり戦意喪失してしまったのです。次回以降の試験で少しでも自信を取り戻すため、毎日通塾し塾の先生と徹底的に得点源の算数をやりこみました。 担任の先生がとても理解のある先生で本当に助かりました。試験関連の日は公休にしていただけたので、そんなに欠席日数も多くならなかったと思います。ただ、私が在宅勤務だったため、午前中の面倒を見られるためできたことだと思います。
現在は新型コロナウィルスが猛威をふるっているので、判断が難しいところですね。受験校によっては新型コロナウィルス感染による救済措置を設けている学校もありますので、その点もチェックしつつご家庭で検討するようにしてください。
新型コロナウィルスが流行している今年は、健康管理について一番頭を悩ませているのではないでしょうか。しかし、厚生労働省の報道発表によりますと、2021年51週の全国の定点あたり患者報告数は昨年に比べてかなり減っていることがわかります(2020年70、2019年105,221)*1。
インフルエンザにかかるリスクはかなり低くなっているので、この点は安心材料の一つ。手洗い・うがい・マスク着用でこれだけインフルエンザを予防できるのですから、新型コロナウィルスも過度に恐れすぎることのないようにして、本番まで過ごしてください。
日本能率協会総合研究所では、全国の受験生(幼稚園保育園年長・小学6年生・中学3年生・高校3年生)の母親1,509人を対象とし、受験生の通塾実態や体調管理についてのアンケートを2018年に実施しています。
以下、当該アンケートより体調管理部分について抜粋いたします。
1 受験生の体調管理に気を遣う母親は8割
受験生の体調管理に関してどの程度気を配っているかについては、中学受験では「非常に気を配っている」が36.9%、小学受験では31.8%で、どちらも3割超となっており、高校受験19.4%、大学受験21.0%と比べて高くなっています。
図表1 あなたは、日頃、受験を控えたお子様の体調管理のために、どの程度気を配っていますか。(1つだけ選択)
2 受験を控えた子供に関し心配していることは、「風邪やインフルエンザにかかること」が7割超でトップ
受験を控えた子供に関し心配していることは、「風邪やインフルエンザにかかること」が最も高く75.0%、次いで「体調管理」66.7%、「勉強・学業」が53.9%と続きます。
図表2 あなたは、中学受験を控えたお子様に関する事柄で、現在心配になっているものはありますか。(いくつでも選択可、中学受験(n=336))
風邪やインフルエンザにかかって、本来の力を発揮できなくなることを一番懸念されているようですね。今年は新型コロナウィルスの流行もあり、更に数値は上がっていることと推測されます。
そして忘れてはいけないのが保護者の健康管理です。せっかく頑張っているお子さんにうつすリスクもありますし、何より予定していたスケジュールをこなすことが難しくなります。受験日直前にインフルエンザにかかり保護者だけホテルに避難したという話しも聞いたことがありますが、たとえうつすことがなくてもお子さんの精神面に与えるダメージを考えると、やはり保護者の健康管理はしっかりと行いましょう。
ただ、どんなに注意していても避けられないこともあります。その際はシミュレーションしておいたピンチヒッターの方にお願いして、安静につとめ、早く回復するようにしてください。
時間のある今だからこそ、必要事項をまとめて一覧にしておきましょう。出願に関わるものだけでなく、受験日・合格発表日・受験料・手続き期間などを一覧にしておくと「納入金の支払いを忘れた!」などといううっかりミスも防げるので、これから始まる出願ラッシュには必需品となります。 中学受験編集部ではみなさんが出願管理をするのに役立つ『中学受験 出願チェックシート』をダウンロードできるようにしました。ぜひダウンロードしてご活用ください。
『中学受験出願チェックシート』にはスケジュールシートも入っています。出願から入学手続きまでの行動予定を立て、入試スケジュール表を作成してください。カレンダータイプになっているので、この時期にこれをやらなければいけないというのが一目瞭然。怒涛の受験期間で**絶対忘れてはいけない日(納入金の支払日・延長日など)**を視覚的に確認できます。前述のIさんも計画は綿密に立てたそうです。Iさんの出願管理表を見せていただきましたが、提出書類から当日の持ち物まで詳細に記録されていました。
娘の同級生に最初の合格校の納入金を払い忘れて、それから落ち続け、最後の最後2月4日になんとか合格したという、ご家庭がありますが、夫婦関係、親子関係がかなり険悪なムードだったようで、想像するだけで恐ろしい状況です。私も忘れてしまわないように、シミュレーションを厳重に行いましたね。それこそ父親と分担して、対応に追われた激動の1月でした。
出願する場合に、なるべく早い番号を求めて郵便局の開局前から並ぶという話しも聞きます。特に午後入試を控えている方は、早い受験番号をゲットすると、早めに退出できるので、そのあと食事をとったり移動時間・休憩時間を確保できるので好都合である(学校によっては、午後受験の生徒を挙手させて先に出してくれるなど配慮のある学校もあるようですが...)という話しもありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
早い番号ほど好環境で受験できると思います。教室→講堂→体育館と、寒い方に追いやられる可能性があるからです。親は子供によりよい環境で受験させてあげたいと思い、情報を集め、朝から郵便局に並んだりするのです。また、模試で体験した「教室」で受験できることを望む人もいます。
数千人が受験する埼玉県のS校は、受験番号によって校舎まで違います。そのため希望の校舎になるように、真ん中位の受験番号になるよう、毎日出願人数とにらめっこして出願日を調整しました。
また、A校の場合は早い番号がよかったので、在住市の郵便局からでは本局を経由するため、タイムラグが生じて後ろの方になると考え、学校最寄りの本局に朝から並びました。前から3番目だったにも関わらず、箱をひっくり返せば、一番下になってしまい、トータルで真ん中位の順番になってしまいました。これはショックでした。
みなさん並々ならぬ努力をされていますね。しかし、今年はほとんどがネット出願になると思われますので、狙った番号をゲットするのは例年以上に難しそうです。あまり受験番号にとらわれずに、防寒対策をしっかりするなど発想を切り替えて臨んでください。
スケジュール表が作成できたら、Iさんのように夫婦での分担を決めましょう。仕事のスケジュールなどでどうしても外せない場合や、急病の場合に誰をピンチヒッターに立てるのかもシミュレーションしておくと安心です。
今回はIさんの経験談や聞いたことのある失敗談、インターネットで拾った声をまじえて、12月にできる準備をご紹介いたしました。スケジュールシートの入力をしながらシミュレーションをして、2月の勝者となれるようにあと少しがんばってくださいね。
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