“中学受験は本当に課金ゲームなのか?“ 「中学受験にかかる費用」実態調査レポート

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~ 保護者410名に対するアンケートと学習塾費用比較を独自に実施 ~

株式会社ファルボ(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役:矢野一輝、以下ファルボ)は、運営サービスである「中学図鑑」を利用する首都圏5万名の内、中学受験生の保護者410名を対象に、【中学受験を目指すには、受験のための学習準備から合格までどのくらいの費用が必要となるのか】実態調査を行いました。

中学受験を検討する際に気になるのは教育費です。私立となれば、公立に通えばかからない授業料に加え、入学金や寄付金など多額の費用が必要となります。「私立の中高一貫校に通うなら世帯年収1,000万円は必要」という厳しい声もきかれます。また多くの場合3年生の2月から塾に通うなど学校外での学習費の支出が発生します。 そこで、『中学受験は、いったいどのような費用が、どのくらい必要なのか 〜学習準備から合格まで〜』「中学図鑑」の会員の中から410名のユーザーを対象に「世帯収入別」「塾」「家庭教師」「通信教育」などで分類し、※補助学習費の調査を実施しました。 昨今人気を博している漫画「二月の勝者」と実際の塾費用の比較等についても検証を行いました。 ※「補助学習費」は予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費 (各家庭での学習机や参考書等の購入費,家庭教師,通信添削等の通信教育,学習塾へ通うために支出した学校外で必要となる経費等)。

「二月の勝者」からみる中学受験の実態についての記事はこちら

【調査の背景】

日本の教育は、公的な教育費支出は諸外国と比較してまだまだ不十分な一方、少子化にも関わらず家計に占める教育費が増大しているという問題を抱えています。この問題は家計にしわ寄せされ、個々の家庭の教育費捻出の金額差が、選択できる教育の広狭につながる不平等を生んでいます。 ファルボは、「個性の違い」を尊重する教育を「低価格」で実現できる社会を目指しており、小学生を対象に、優れた塾や家庭教師が行なっている目標管理・教材選び・学習計画・記録方法を自己学習でも取り入れられる「ラコモ・オンライン」の無料提供を7月31日より開始しました。 そこで、あらためて世帯年収毎に、中学受験を志す場合の教育費の負担額について、実態調査を実施しました。

私立中学に通う家庭の7割は年収800万円以上

中学受験を経て合格を果たした私立中学に通う家庭の世帯年収をみると、実に72.1%が800万円以上に含まれ、半数以上の52.3%の家庭が1,000万円以上と年収の高い世帯の割合が大きいことがわかります。私立中学に進学した家庭のうち年収400万円未満の家庭は4%弱しかありません。 逆に、公立中学校に通う家庭では65.7%が年収800万円未満に属しており、400万円~800万円未満の世帯年収が半数を超える51.5%となっています。

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出所:平成30年度子供の学習費調査「5世帯の年間収入段階別,項目別経費の金額段階別構成比」(文部科学省)

また「平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況」によると、「児童のいる世帯(18歳未満の未婚の人がいる世帯)」の 1世帯当たり平均所得金額は743 万 6 千円、中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)をとると648万円となっています。

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出所:平成29年国民生活基礎調査 / 所得 報告書掲載 / 児童のいる世帯数の相対度数分布-累積度数分布,年次・所得金額階級別

塾のための塾、オプション講習で学習費の家計への負担は増大

多くの学習塾では、受験のためのカリキュラムが4年生(3年生2月)から始まります。そのため受験生は集団塾や個別指導塾への通塾、家庭教師をつける、通信講座を受講するなど子どもの学力や各家庭の経済力に応じて、様々な選択肢の中からそれぞれにあったルートプランを選択することになります。 下図に示した通り、指導体制により通塾費用は異なり、集団塾<個別指導塾<家庭教師と指導者一人あたりの生徒数が少ない塾程、金額は高くなる傾向にあります。従って、世帯年収が高いほど、完全個別塾は1:3から1:1へ、集団塾は公立中高一貫型から国立私立の難関校受験専門塾へシフトが見て取れます。 また、学力レベル(偏差値)から見ると、学力が高いほど中学受験に特化した集団塾に適合しています。これには、同じように高いレベルの学力を持つ生徒同士でクラス編成され、受験のためのノウハウを熟知した大手中学受験塾の存在が影響していると思います。これらの中でも、より高い合格実績を誇る大手学習塾への入塾テストをクリアし、最高位のクラスを維持するためには、それをサポートする家庭教師や個別指導塾に並行して通うケースもみられます。 さらに、これらの塾は通常の授業料の他に、別途季節講習費等のオプション費用がかかることもあり、集団塾=廉価という図式が必ずしも当てはまらないのが中学受験塾の特徴でもあります。

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出所:学習塾白書2017 全国私塾情報センター掲載の図を元に加筆・改訂

独自調査結果:学校外で必要となる塾等の補助学習費について

今回ファルボでは、中学図鑑の会員の世帯年収を「400万円」、「600万円」、「800万円以上」の3つに分類して、学校外で必要となる塾等の補助学習費の独自調査を行いました。

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※学習塾は集団学習塾の入会金・授業料・教材費・施設費・季節講習料・特別講習 ※家庭教師は入会金・授業料(4年生:週1・1時間  5・6年生:週1・2時間)・交通費 ※通信教育は入会金・受講料

この調査から、世帯年収の高い家庭ほど、学習塾(集団塾)・家庭教師・通信教育にかかる費用が高く、学年があがるごとに授業時間・日数等も増えその差は拡大していました。中学受験をめざす家庭での補助学習費の負担がかなり高額になっていることがわかります。

<結果分析> 学習塾にかかる費用には、これら通常の授業料に加え模擬試験の受験料、受験対策用の参考書や問題集も必要になります。さらに通常授業以外にオプションとして、季節講習や特別対策講座を設けている塾が多く、子供の志望校や学習状況に応じてはこれらの追加費用も考慮しなければなりません。大手学習塾ほどこれらオプション講習は充実しており、塾外生以外の参加も可能な場合が多く、受験を控えた6年生にもなると複数の学習塾を併用するケースも見られます。 金銭的に余裕のある家庭では、集団学習塾と並行して個人指導や家庭教師などのサポート指導を受けるケースも多く、これらの授業料は集団授業と比較するとはるかに高く、講師のレベルによっては学習塾の授業料の倍以上になることもあります。

今話題の漫画「二月の勝者 ―絶対合格の教室―」にみる「課金ゲーム」

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二月の勝者 ー絶対合格の教室ー 著者:高瀬志帆 出版社 : 小学館

これらオプション講習については、今中学受験をめざす保護者の間で人気となり、まもなくドラマ放送が予定されている中学受験がテーマの漫画「二月の勝者 ―絶対合格の教室―」(原作:高瀬志帆)の中でも話題のテーマとなっています。 注目すべき点として、漫画の主人公であるスーパー塾講師であり校長の黒木は「君たちが合格できたのは、父親の『経済力』そして、母親の『狂気』」と言い放ちます。中学受験を「課金ゲーム」と評する強烈なキャラクター黒木を中心に、これまでブラックボックスの中にあった中学受験の世界がつぶさに描かれており、言いえて妙な衝撃的受験ワードが満載です。さらに中学受験をとりまく家族の絆や教育問題を通じ、受験や学習塾の隠れた闇やリアルな数字が浮き彫りにされており、中学受験の実態やそれをとりまく社会背景について示唆に富んだ漫画となっています。

そこで、本作品に描かれている中学受験トップ塾の「フェニックス」のモデルとされる受験塾「SAPIX」と都内御三家合格者ゼロの桜花ゼミナール吉祥寺校に匹敵する受験塾(特定のモデルはなく複数塾の複合型)を例に、学習塾での受験対策として6年時の1年間で実際に想定される費用についても調査しました。

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※作中より引用した桜花ゼミナールの合計金額は「平均的な総額」です。作中より引用した上図内の金額を合算したものとは異なります。 このように中学受験を控えた6年生の私立受験コースでは、通常授業以外にも漫画の中で「課金」と呼ばれるオプション講習が多数用意されています。漫画に登場する桜花ゼミナールでも季節講習は「オプション」となっていますが、中堅学習塾では基本受講前提(ほぼ必須)としている塾が多いようです。そして、あくまで参加は任意であるとしても、クラスの生徒ほとんどが参加する講習にここまで来て自分一人だけ抜ければ、学習に後れが生じるのではと不安を感じ、精神的に取捨選択をできない状況に追い込まれるのが中学受験なのです。 また、漫画の中で、桜花ゼミナールの志望校別特訓(後期特訓)では「1割が他塾の外部講座に流れる」とあるように、学習塾を複数かけもちしたり、通塾校の併設塾またはそれ以外の塾で個別指導や家庭教師などの補講を追加する家庭もあります。これらは漫画の中で「重課金コース」とよばれています。桜花ゼミナールの系列個別指導塾「ノビール」では、マンツーマン指導を週2回80分で受講すると、大学生バイト講師では月額3万円程度ですが、プロ講師になるとその倍の金額となります。こういった通塾する塾の為の対策を講じてくれる専門塾というのが存在し、合格のための課金が積み重なっていくのです。

合格までの中学受験生の年間スケジュール

こうして中学受験をめざす6年生は塾のカリキュラムに則って、通常授業に加え、次から次へとオプション講習や模擬試験を受けることになります。これからの時期、週末ともなると朝の10時から夜の10時まで塾で10時間を超える学習をこなす子どもも見られます。その合間をぬって学校見学や入試説明会等にも参加するなど、12歳にしてハードスケジュールに忙殺されるのです。そんな受験生の1年間の入試までの基本的なスケジュールを紹介します。

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※上記スケジュールは一般的な流れを網羅したものであり、全ての受験生が上記スケジュールに該当は致しません。

入試時期に必要な受験費用が約100万円!

受験に必要な費用というのはこれら準備期間だけではなく、入試時期にも受験料に加え、前日泊の宿泊費を検討するケースもあります。受験料だけでも25,000円(平均的な受験料)x5校(平均5校~7校を受験)の125,000円、さらに併願校の入学金を抑えとして支払う場合も考えられ、この場合は250,000円程度の事前納入を検討せねばなりません。こうした様々なケースを想定して、6年時には十分な資金を準備しておく必要があります。 若干12歳の小学生ですので、精神的な緊張やプレッシャーからまさかの大波乱や、思わぬ結果など、想定外の事態が起こります。その為、ご家庭ではありとあらゆるケースを想定して、様々なシミュレーションを組み予定外の受験や入学金納入への試算と備えが必要です。まさに家族一丸となって入試に立ち向かう高校受験とは比較にならない一大イベントなのです。 ここで、ある難関中学の合格をめざす受験生の入試時期の出費例をご覧ください。

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このように、1・2月の入試時期のみで100万円近い出費となるケースも考えられます。 中学受験の場合は5~7校を受験するのが一般的となっておりますので、第1志望校以外の受験校に入学金延納システムがない場合、合・不合のタイミングによっては第2・第3志望校であっても念のため入学金を納入し合格を確保しておかなければなりません。なぜならば、まだ精神的に未熟な小学生の場合、一番の敵は本人のメンタルにあります。とにかく入学したい学校の合格を確保して本命に臨むのが最強のお守りとなるからです。

中学受験に必要な準備費用(補助学習費+受験費用)の総額は約413万円

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出所:平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)

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【総括】中学受験する家庭としない家庭の差は400万〜600万 13倍以上の金額差。

このように、文科省調べの小学4年生~6年生の3年間での「補助学習費」総額は、私立小学校は146.1万円、公立中学校33.1万円とありましたが、私立中学の受験を考えた場合、受験のための教育費に、3年間の準備費用、および入試に必要な受験費用を加えると、総額413万円(最も私立中学校に通う層、世帯年収800万円以上の場合)という多額な費用となるのです。文科省調べの公立中学校補助学習費(表8)と比べると、13.3倍と非常に高額です。6年生時だけでも合計274.5万円、月額に換算すると22.9万円もの教育費を準備しておかなければならないのが実情です。 如何に、中学受験費用が高額であり、世帯年収によって「受けたい教育を受けることができる選択肢」に不平等が生じているか、といった社会状況が見てとれます。 ファルボでは、年収を基準に中学受験を決めるのではなく、各家庭の経済状況に合わせた受験対策を応援する、学習プラットフォームの構築を進めております。自宅での学習を中心に家庭で進められる学習管理ツールをはじめ、中学受験において子ども一人ひとりの個性にあった学校選びを支援する様々なコンテンツによる情報提供を行っています。 また、本プレスリリースに連動した中学図鑑編集部発のブログを2020年9月25日に開設いたしました。中学受験を進めていく上で、受験生やその保護者が気になるその時期にあった話題のテーマを随時取り上げ、中学受験を目指す家庭に役立つ情報・サービスを展開していく予定です。

教育図鑑ブログU R L:https://eduzukan.jp/jhs/484

≪引用≫                              ・平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)            ・平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)   ・二月の勝者 ー絶対合格の教室ー(作:高瀬志帆 出版社:小学館)  ・平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)                                                   ≪調査概要 (自社調べ) ≫ ・調査タイトル:小中学生の保護者の教育費負担に関する調査 ・調査対象  :「中学図鑑」の会員の保護者 ・調査期間  :2020年8月1日~8月31日 ・調査方法  :インターネット調査(地域:首都圏) ・有効回答数 :410サンプル(内訳)父親131名 母親279名

■会社概要 会社名 :株式会社ファルボ(旧社名 教育図鑑株式会社) 代表取締役:矢野一輝 設立年月 :2014年9月 資本金 :190,700,000円 (準備金含む) 本社所在地:東京都中央区日本橋富沢町10-20

【報道に関するお問い合わせ先】 株式会社ファルボ 広報窓口:株式会社ベンチャー広報 石原実帆子 TEL:080-1164-6267 MAIL:ishihara@v-pr.net

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