第一志望合格を目指して何が悪い

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教育理念

今回もまた、私が大きな塾には向いていないという話をする。 これは、サーパスを立ち上げた翌年、某大手塾出身の先生と話した内容である。

僕個人としては今も昔も、サーパスのホームページと同様に、 『全ての生徒の第一志望合格に対して全力を注ぎたい』と考えている。 しかし、その先生は「それはいい目標ではない。」とおっしゃった。 というのも、中学受験の世界において第一志望に合格する率はそこまで高くなく、 調査によっては20%前後だとも言われているのだが、 それでは教えた生徒の約20%にしか満足してもらえないということではないか。 第一志望合格という目標を達成するのには、相当なエネルギーが必要なのに、 そしてそのかけたエネルギーが必ず結果につながるというわけではないのに、 第一志望の合格か不合格かだけで、満足かそうでないかが分かれてしまったら、 あまりに(自分たちの仕事は)報われないではないか、ということらしい。

「そんな目標はただ大変なだけで、実りが少ない。 君はそれをやろうと頑張っていて、自分は一生懸命かもしれないけれど、 周りの先生は迷惑していないかい?」「その子その子で能力が違うのだから、 できなかったことがその子なりにちょっとでもできるようになれば、 それで良いんじゃない?あるいは、例えば算数なら算数が、 好きになればそれでいいじゃない!受験後だって人生は続くんだから。」 と、その先生はおっしゃった。

なるほど。どうやら僕は同僚の先生に迷惑をかけているらしい。 他のことで迷惑をかけたことは自覚していても、 この件については全くもって無自覚だった(苦笑)。 う~ん。自分の中では信念を持ってやってきたが、 迷惑をかけているのかと思うとさすがに揺れる。 実際、大手塾の方に生徒が集まることを考えれば、ひょっとして…なんて考える。

もちろん受験後だって人生が続くのは百も承知している。 だからこそ普段から勉強習慣をつけることや、 授業を集中して受けるべきだということを、口酸っぱく語るのである。

しかしどうも腑に落ちない。 「できなかったことがその子なりにちょっとでもできるようになればそれで良い。」 「好きになればそれでいい。」 確かにそういう考え方もあるだろうし、 そう考えている保護者の方がいらっしゃったとしても、それはそれでいいと思うけれど、 それって、本気で頑張って初めて、そう思えるものなのではないだろうか。 最初から目標にすることではないのではないか。

まぁ、なんにせよ自分の中では結論が出ている。 ひょっとしたら迷惑をかけているかもしれないけれど、 ここは譲れないと思ってやっているのでね。 だから結局、私は大きな塾ではきっと働けないんだろうなと、 そういうことでいいんじゃないかと思っているのである。

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