10代の「お金力」が育つ お小遣いの与え方が知りたい!

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夏休みが終わり、新学期が始まりました。

今年の夏は、各地で花火大会や夏祭り、音楽イベント等の開催が復活しました。 中・高生は、2年ぶりの行動制限が緩やかになった夏休みを、勉強・遊び・部活・バイトなどをして活発に過ごすことができたのではないでしょうか?

首都圏の私立中学に通う我が家の中学3年生の娘も、今年の夏休みは、部活動や合宿に加え、友達との遊びに精を出していました。 行き先は、テーマパークやコンサート、ショッピング、映画・海・花火大会などで、中学入学後のコロナ禍で溜まったフラストレーションを発散させるかのように遊びにでかけていたものです。

当然月5,000円のお小遣いでは足りず「昼食代」「交通費」「(必要な場合)チケット代」など、都度つどお金かかり、毎回いくらくらい渡せばよいのか、悩みながら数千円を渡していましたが、合計では大変な金額に……!  子供の要求のまま、子どもが立てた予定のままにお金を渡すことが果たしてよいことなのか?と疑問に感じていました。

ママ友に相談してみると、同じような悩みをもっている方がたくさん。夏休みに中学生の子供に渡したお小遣いを合計してみたら、6万円にもなってしまったという家庭も! これでは世帯主のお父さんのお小遣い以上になってしまう可能性もありますね。

そこで、今回のブログでは、中・高生へのお金の与え方に悩む保護者に向け、ティーンのお小遣い事情を紹介。高校生のアルバイト状況や、通っている学校が私立/公立でもらっている金額は違うのか、などの気になるポイントについて調べ、子どもの「お金力(管理能力や小遣いアップの交渉術など)」を育むためのお小遣いの渡し方などを提案します。

相次ぐ物価の上昇で家計の見直しが必要になるこの時期に、ぜひ親子で家庭内のお金の流れや、お小遣い制について話し合うきっかけにしてください。

中高生 月のお小遣いの平均額は??

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小学生の時と比較して、友人との遊びやおしゃれなどでお金を使う機会も増える中高生。

街では、友達同士ででスタバといったカフェやファミレスやファーストフード店で楽しそうに過ごしている中高生が目につきます。 高校生になり頻繁に友人とカフェなどに通っている場合は毎回300円~1,000円程はかかるはずなので、「お小遣いは足りてるの?」と心配になってしまいます。 イマドキの中学生・高校生は、毎月どれくらいのお小遣いをもらっているのでしょうか?

中学生のお小遣い相場

リサーチ会社「株式会社TesTee」が中学生・高校生の男女1,026名対象に行った「中学生・高校生対象のお小遣いに関する調査2021年版」では、毎月お小遣いをもらっている中学生の割合は約75.9%。

そのうち、ひと月のお小遣いの金額は、1,000円〜3,000円未満が58.4%と一番高く、続いて3,000円〜5,000円未満が17.1%とつづきます。さらに、調査対象のうち約3.6%の中学生は10,000円以上のお小遣いをもらっていると答えています。

多くの子どもは「必要なものはその時に買ってもらえる」と答えているため、「2,000円程度の定額のお小遣い+必要経費は都度」もらっているか、5,000円~10,000円ほどの定額のお小遣いの中で、文房具など必要なもの全てを賄うのかでも、 1カ月の金額は変わってくるのでしょう。

高校生のお小遣い相場

リサーチ会社「株式会社TesTee」の「中学生・高校生対象のお小遣いに関する調査2021年版」によると、毎月お小遣いをもらっている高校生は75%。

ひと月のお小遣い額は3,000円〜5,000円未満が 32.7%、次いで1,000円〜3,000円未満が 24.9%、5,000円〜7,000円未満は22.2%でした。1万円以上のお小遣いをもらっている子どもは全体の約3.6%という結果でした。

高校生のお小遣い相場が、中学生のお小遣いより高くなっている理由として、徒歩で登校する公立中学は、学校帰りはまっすぐ帰宅し平日にお金を使うことはほぼないのに対し、高校では多くの生徒が電車やバスなどで都市部を通過し、その帰りに寄り道して買い物や友人との外食が増えるなど、「交友関係や日々の行動範囲が大幅に広がり支出が増えるため」と考えられます。

中高生のお小遣い事情

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昔以上に、お金を使うシーンが多くなってきている現在の中高生は、お小遣いをどのような形でもらっているのでしょうか?

また、どれくらいの高校生が、アルバイトをしているのでしょうか。公立中高の生徒と私立の生徒とに、お小遣いの額や使い途に差はあるのでしょうか?

中高生のお小遣い事情を深ぼりしていきます。

中高生へのお小遣いの渡し方 定額制/都度制/報酬制

子どもへのお小遣いの与え方には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

◆定額(月額)制◆

多くの家庭で採用されている月初などに定額の金額を与える方法で、学年に応じて増額していく家庭が多いのではないでしょうか。子どもは毎月2,000円~10,000円といったお小遣いを自分で考えて管理する力が付き、親は「子どもがいくらくらいもっているか」等の経済状況を把握しやすい、一般的なあげ方です。しかし一方で、その月の働きや達成度に関わらず一定の金額がもらえるため、子どもが、「毎月お金をもらうのは当たり前」といった意識になりがちです。また前章「月のお小遣い平均」で多くもらっている子どもは、文房具代や飲食代などすべてを月のお小遣いで賄うことが前提ですが、1,000円~2,000円といった月のお小遣いで全て賄うのは難しく、月額制+必要な時に都度あげる、ということになり結局毎月いくら子どもが使っているかわらない、という状況に陥る可能性も。

◆都度制◆

月に定額のお小遣いは与えず、文房具や飲食費、交際費など子どもがお金を要求してきた時に随時与える方法です。「どうして必要なのか」「いくら必要なのか」親に直訴することで貰えるため「お金を得るためのプレゼンテーション能力が身につく」とも言われているあげ方ですが、親が子どものいうままにあげてしまうと、欲しい時にお金をもらう癖がついているため、節約すること、お金を管理してやりくりすることといった「お金力」がつかないことがデメリットです。

◆報酬制◆

家の手伝いをした時やテストの成績がよかった時などに報酬としてお小遣いを渡す方法です。何もしなくても毎月決まったお金がもらえるいわゆる「不労所得」の定額制と違い「労働の対価」として貰えるお金は努力することや働くことの大切さが実感できる、将来につながる渡し方と言えます。 「今月は○○が欲しいから勉強を頑張ろう」「来月ディズニーランドに行く予定があるから手伝いを増やそう」など、子どもが自分で目標を決め、その目標達成に向けた意欲が出ることがメリット。しかし、「勉強すること」「家の手伝いをすること」などがお金を得るための手段になってしまい、対価が発生しないことには関心を示さなくなる可能性もあります。 「家の手伝いをすることや勉強を頑張る事は学生にとって当たり前のことであること」という親子の共通認識の上で、その当たり前を超えた努力や、おもいやり・奉仕の精神による働きを認めることがポイントです。

高校生はバイトでどれくらい稼いでる?

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リサーチ会社「株式会社TesTee」の「中学生・高校生対象のお小遣いに関する調査2021年版」では、毎月のお小遣いをもらっていない高校生は25%でした。その中には親から一切お金をもらわず、学校生活や遊びにかかる費用をアルバイトで賄っている子どももいるでしょう。

株式会社マイナビの「2020年度高校生のアルバイト調査」によると、「高校生全体のうち推定37.1%がアルバイト就業経験がある」という結果が出ました。2019年度は推定47.7%が「アルバイト経験あり」と回答しており、コロナ禍の影響でアルバイト経験のある高校生は減少傾向にあります。 現在アルバイトをしている子どもの平均的な勤務実態は、週3回・1日3.6時間の勤務、月収は4.3万円。 アルバイトをしている子のうち42.6%の子どもは親からお小遣いを貰わずに全てをバイト代で賄っている一方、アルバイトをしながらも親から月1万以上のお小遣いをもらっている子も。(中には5万円以上もらっている、という子も!)

現在アルバイトをしている子の、月のお小遣いの平均金額は7,700円。アルバイトをしていない子の平均は月5,078円なので、アルバイトをしている子の方が毎月親からもらうお小遣い額が多いのに驚きました。

アルバイトをしている高校生には「お小遣いが少ない・貰えないからアルバイトをする」という子が多い一方で、親から平均以上のお小遣いをもらいながらも「推し活や買い物、交際費にさらに多くお金をかけたいからアルバイトをする」という高校生も少数派ではないことがわかります。

私立の生徒のお小遣い事情は、公立生と差があるの?

「マイナビ」の調査によると、アルバイト未経験の子どもの「アルバイトをしたことがない」理由として一番多いのは「学校で禁止されている(42%)」でした。続いて「学校生活との両立が難しい」「時間的な余裕がない」を理由としてあげていました。

私立校は、アルバイトを禁止している学校がほとんどのため「お金を稼ぐことの大変さ」を実感する機会が無いうえ、私立中高に入学すると、「一般家庭の我が子は友達と「お小遣いの額」「交友関係」に差が出てしまうのではないか?」と悩んだり、通学中のトラブルに巻き込まれることを考えて、子どもに毎月多くのお金を渡しているご家庭も多いようです。

実際に、私立中学に通学する娘がいる我が家も、中学生から公共の交通機関を使って通学するため、「万が一」のためにと、毎月のお小遣いとは別に、5,000円程度のお金を渡しています。休日は、遠くに住む友達との中間地点で遊ぶことが多く交通費がかかるのでPASMOに入金するようにと伝えていますが、交通費以外にも結局、飲食代や友達の誕生日プレゼント、スキンケア用品などを購入してほぼ毎月使い切ってしまうのが実状です。

また、夏休みなどの長期休暇中に友達と遊ぶ場合も、「近場でおしゃべり」という訳に行かず、交通費をかけて出かけてはショッピングや外食するため、その都度さらに5,000円程度をあげているので、出かける日の多い月はかなりの額を渡していることになります。

私立中学校に通う子どもを持つお母さんのブログなどを読んでみると「なかなか自分の子どもだけ遊びに参加させないというわけにはいかず、どうしても目をつぶってお金を渡してしまう」という我が家と同じような悩みを持っているご家庭がたくさんありました。 「私立に通っているのだから交際費がかかってもしかたがない」「子どもが仲間外れになるくらいなら」と、言われるままに渡すのではなく、それぞれの子どもや家庭にベストな渡し方や管理方法を見直し、親子で話し合う機会を持つ必要があると感じます。

まとめ お小遣いの与え方を工夫して子どもの「お金力」を育もう

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アルバイトは、子どもの自立心を養い、お金を稼ぐ大変さや就職活動に役立つマナーが学べる一方で、月に貰っていたお小遣いとは桁違いのお金を稼ぐことにより、交友関係が派手になったり、金銭感覚が狂ってしまう可能性もあります。

「アルバイト禁止」の学校に通っていなくても、高校生のうちは学業最優先でアルバイトはさせず、子どもに月数千円のお小遣いでやりくりさせたり「必要な分は言ってね」という方針の家庭も多いことでしょう。 しかし子どもがアルバイトをしていないからと言って、親が何の条件もなしに、子どものいうままにお金を渡してしまっていては、子どもは親をいつでもお金が引き出せる「キャッシュディスペンサー」だと勘違いしてしまうかもしれません。

そこで親が中・高生の子どもにお小遣いを渡すときに考えるべきは、「渡す金額」だけではなく、「お金の渡し方」です。

「毎月決まった金額を現金で渡す(時に足りない分を別途渡す場合も)」というスタンダードなお小遣い制では、「不労所得」を毎月得ているのと同じことになり、子どもの「お金力」は身に付きません。

そこでお勧めなのが、「子どもに見合った定額+報酬のお小遣い制」。定額の数千円のお小遣いとは別に ・普段のお手伝いとは別に「自分の役割を超えた働き」をして家族の役に立った ・資格試験に合格したり、テストで良い点を取って家族を喜ばせた ・部活動で目標を達成して家族を喜ばせた……etc. で報酬を発生させます。

「お金の専門家」として多くの著書を持つ菅井敏之氏は「家族は小さな会社と同じなので、家族ひとりひとりがオーナー社長のつもりで生活しよう」といいます。 そこで「家族の役に立った」「家族を喜ばせた」というのが重要なポイントになってきます。「自分の頑張りや働きが人の役に立った」という実感に繋がり、それが「お小遣いアップや報酬に繋がる」という「ビジネス感覚」を身に付けるスタートにもなり得るでしょう。

2022年4月から成人年齢が18歳に引き下がり、高校生のうちからクレジットカードの作成や、消費者金融での借金、暗号資産の契約等も可能になり、さまざまな恐ろしい金融リスクが想定される時代になりました。中・高生のうちから「お金力」を養うことは今後ますます重要になってきます。

まずは子どもの「お小遣い制」を見直すことをきっかけに、家庭内でできる子どもへの「お金教育」について考えてみませんか。

“子どものお小遣いの相場”や“管理能力が身につく小遣い制度”について、こちらの記事でも詳しく解説されています。

→→ https://moneyfix.jp/media/article-1289/ ←←

【参考資料・文献】 ・「中学生・高校生対象のお小遣いに関する調査2021年版」株式会社TesTee ・「2020年度高校生のアルバイト調査」株式会社マイナビ ・「あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30」菅井敏行著 集英社 2019年初版

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